「サヴェッラの夜」「二人に捧げるRequiem」について
最初にも記した通り、これらの話は管理人の「もし〜だったら」という妄想から生まれた産物である。
もともと「月光」を書いている時に「もし主人公が衝立の中に踏み込んでいたら?」と考え、そこから話は始まった。
しかしながら内容的に健康的な全年齢向けのドラクエというのに反して不道徳とも言える行動を主人公が始めたため、一旦お蔵入りにした。その後厳重に注意書きをして書いたものの、賛否両論となってしまった。
この時点では続きを書く意思はなかったものの、「是非続きを」という声があって「二人に〜」が生まれることとなったのである。
最初から悲劇的な結末にするつもりはなかった。しかしそのままくっつけるつもりもなかった。そのため最初鬱展開が続いた時にまた賛否両論となってしまった。さらに一部のキャラクターの扱いが悪いという苦情も出て一時続きを書くのをやめようかとも思った話である。実際はやめはしなかったが、一部構成を変えざるを得なかった(しかし今思うと、変えて良かったのではないかと思う)。
「二人に捧げるRequiem」という死にネタを連想させる題は最後の台詞「二人に平安を、永久の平安を(dona eis requiem sempiternam:本来は「彼らに永久の安息をお与えください」)」から取ったためだった。ちなみに元々は死者の鎮魂の意味はない。それでも死者のためのミサでのみ使われるため、邦訳時に「御霊の安らかなることを」のような意味にされている。
書き始めた時は誰にこの台詞を言わせるかは決まっていなかった(ククール辺りか、と思っていた)。ラストシーンの登場人物は主人公と姫でないことは決まっていたが。
文中「人は皆、生まれながらに〜」という台詞がある。これはキリスト教でいう原罪思想から採っているが、もちろん本来の意味ではないことをここに注記しておきたい。
以上、書いた当初の背景を簡単に記した。
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